台風16号襲来。久々にドでかいサイズとあって、昼過ぎには市内の主要デパートは早々と臨時休業、交通機関も飛行機、JR、電車、バス、フネと軒並み運休。今夜はアイルランドの音獣「KiLA」のライブがクアトロであるのである。性根の入った彼らのこと、もしもすでに広島入りしているのであれば、よくある外タレのように「公演中止」などというフザけた決定は下さないであろうと確信はあった。が、クアトロの入っている「パルコ」が昼過ぎに店を閉めたとの情報が入って来た。おいおい、こりゃ十中八九ライブ中止だな、しょうがないのー、とクアトロに一応確認のデンワをしてみたならば「やります!」と力強いお言葉。そうこなくっちゃ。
で、定刻、クアトロへ。台風だし、チケット売れてない、と聞いていたのに、ナンダナンダというぐらいの盛況ぶり。客の5分の1は白人でたぶんアイリッシュ系。ここ広島にはアイリッシュ系外国人がすごく多いらしい。考えてみれば十数年前、俺のバンドのファンクラブ(笑うなよ)を作ってくれたのもアイリッシュ系女性たちであった。俺の音楽を評価してくれるとは、なんて熱い人種なんじゃい、と思ったものだが、骨太なハートと肉体は相変わらず健在のようである。 そんな気合いの入った客が見守る中、KiLA登場。先日「ニュース23」で見た時と同様、着のみ着のまま、というような思いっきり普段着スタイル。「ハリケーンなのに来てくれてアリガトね〜」みたいなこれまた限り無くシロウト臭い英語でのMCのあと、ボーカルのロ−ナン氏のボーラン(アイルランドの伝統的打楽器)のカウントでのっけからトップギア。おお、すごいすごい!天も地も裂けよ、といわんばかりの豪快かつ宇宙的なグルーヴ。「異端音楽集団」と紹介されている彼ら、たしかに使用される楽器も見た事ないものが多いし、雑技団っぽさもありはするが、そのサウンドはすごく開かれたものであった。異端が目的になっていないのがいい。ひきもこりみたいな音楽を俺は聞きたいとは思わんもんね。 ほぼ全員がアイルランド版アサイラムストリートスパンカーズのごとく、複数の楽器を器用にこなすのも見ものである。コラコラ、ひとつのドラムセットを二人同時に叩いたりするんじゃないっつーの(笑)。まったく油断ならねえ。ゲストギタリストとして数回登場した山口 洋クンもナイスサポート。グレッチ、ええカンジで吠えてました。開演前と後、楽屋に彼を訪ねたけど、草刈り焼け(笑)で一層精悍なツラがまえになっていた。以前、俺が勝手に編集して送ったシーカヤックビデオも喜んでくれていたので安心。
ライブ終了後、ロケン屋ナカハラヒサロオ氏、K-ヨシオ氏らと某餃子屋にて、ミーティング。9月26日、クアトロでのライブには山口 洋くん、ソロで正式参加が決定。彼が出演するのなら、という条件で参加を表明していたFar East Loungeもようやっとハラが決まった。チケットもノルマ以上を目指して(笑)がんばらせてもらう。
*写真:初公開、これが春駒式台風仕様ファッションなり。強風下で傘なんぞ差そうと思うこと自体がすでに間違っている。ここはポンチョで身を包むのがよろしい。いっそのこと「濡れまくる」のを前提に海パン、というテもあるが。
|