Far East Lounge 三代目春駒小林一彦オフィシャル 小林一彦イラスト

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2005年12月の日記

男の掃除祭り (2005.12.31)

午前中、おせち料理を作るオタマを実家の吉浦へクルマで送り、家へ戻ってから猛然と大掃除ラストスパート。意外かも知れんが俺はこれでも掃除をやらせたらプロである。2年間、店鋪や社員寮専門の掃除アルバイトをやったおかげでかなりのことがやれる。問題は、どこで止めるか、だ。それこそ丁寧にやろうと思えばキリがない。で、本日は日没とともにフィニッシュ。帰って来たオタマも眩いばかりに光り輝くガスレンジ周りを見て仰天する。

なんだか久しぶりに正しい大晦日のようである。
お見舞い、、、忘年会、、、 (2005.12.30)

新年を迎えるための諸々の雑事を速攻でこなす。途中で中区の某総合病院に入院中の知人を見舞う。彼は先月、仕事中にかなり痛ましい事故に合い、あやうく左手を失ってしまうところだった。複雑骨折のうえ皮膚を大きく損傷したが、不幸中の幸いで神経は問題無し。元気そうで安心した。

夜、ラーメン屋「チャボ」にてナカハラヒサロオ氏主催の忘年会に参加。なんだかんだ言いながら今年もこの人には随分世話になった。と、彼に、広島大学医学部出身で、現在介護士をしながら総合格闘技で連勝中の某女史を紹介される。トレーニング方法などいろいろ情報交換。明日、プライドやK-1に出場するファイターにも何人か知り合いがいるらしい。このテの話題がやっぱり俺は好きなんだなぁ(笑)。
ラジウム音泉 (2005.12.29)

日光猿軍団影のドン、AKIRA氏より、できたてホヤホヤの彼のソロアルバム「alone」が届く。全10曲。「ONSENS」名義でリリースしたこれまでのユニット音源と違い、タイトル通りすべてをギター一本弾き語りで録ったもの。早速聴いてみたが、この方が歌詞がストレートに伝わり俺は好きだ。というか、これはかなりの大傑作ではあるまいか。彼が作る楽曲自体のレベルの高さは相変わらずだが、さらに約一年間全国各地で行ったライブで鍛えられた表現力が加わり、鬼に金棒、AKIRAに幻覚キノコである。ついでに言えば栃木弁のイントネーションも季節柄もあってやけにあたたかく心地よい。俺が他人の曲をカバーしたくなるなんて師匠の豊田勇造さん以来のこと。こりゃマジで痔に明日!じゃなかった、ジーニアス!

昼過ぎ、K楽器店O店長をたずね、例のブツに関する今年最後の密談。俺もけっこうシツコイが、何度も言うように試弾せずに銘柄だけを信用して国境跨いで注文するのは度胸いるス。気になることがあれば納得出来るまで何度でも聞きに行くのじゃ。で、来年の春あたり、決着つきそう。
それぞれの海 (2005.12.28)

唐突に仕事が終わってしまったもんで、何をしたらええのやら。お、そうじゃ、DVDでも借りてみるかと思い立ち、ツタヤ皆実町店で生まれて初めて会員登録をし、「ステップ・イントゥ・リクイッド(和名ではリキッドになっているが、これ絶対リクイッドが正解と思う)」「ビラボン・オデッセイ」をピックアップ。奇しくも二本ともサーフィンのドキュメンタリー。俺はサーフィンをただの一度もやったことがないけど、シーカヤック歴は10年。その間、潮や波、風の動きというものを五感全開で感じ取り、今は多少なりとも海と会話出来るレベルにあると思っている。
で、家に帰って早速2本ブッ通しで見たならば、なんてこったい、現代サーフィンのアクロバティックな異次元ワールドにひたすら圧倒されたダスよ。レジェンドと呼ばれるサーファーたちの見ている海と俺のそれは似て否なるものでありました。彼らにとっては<フィールド>だが、俺には<荒野>。どっちがいいというんじゃなく、海はそれぞれに美しい。ああ、シーカヤック乗りてぇ!でも考えただけで寒っ!

一番大事な資源とは (2005.12.27)

日曜日に某報道番組で「資源のない日本に未来を生き抜く方策はあるのか」みたいなテーマで政治家、経済学者らが激論を交わしていた。と、それまで黙っていた初老の女性学者が、目がさめるようなことを口にした。
「さっきから聞いてますと石油や天然ガスばかりが資源として認識されているようですが、わたしはそうは思いません。この国においては<水>こそが一番の資源ではないでしょうか。静謐な水の正常な循環こそが自然と人間の健康を保つのです。石油なんかなくっても生きていけます」。
他のコメンテーターたちはお口ポカン状態だったが、こういう人こそ識者と呼びたいね。2006年、ますます世界はいがみ合いながら破局への道を突き進むだろう。その悪しき連鎖から「いち抜けた!」するには、まず思い込みを捨て去ることだ。シンプルに考え、シンプルに行動する。「もっともっと」を連呼する「足りない教」に煽られてはいかん。

某広告代理店と、俺が7月に納品(!)したはずの仕事の未払い代金の事で電話交渉。代理店側がクライアントとのやりとりに手こずっていたとしても、半年はあまりにも伸ばし過ぎ。実はこの件に関しては秋から代理店担当者にメールや電話で何度も問い合せたにも関わらず、何故か無視され続け、先々週になってやっと返事が来るというチベタイ対応ぶり。その時点でやっとこさ「数日内に数字を出して連絡します」と言われたが、さらにあれから2週間。このまま年を越すのは気持ち悪い。そちらは株式会社で、こちらはフリーランス。一人でリクスしょってるんですから、なんとかしてクレヨン。結果、入金は年開け(苦笑)。いや、料金ウンヌンではないんよ。やっぱ誠意とか、信頼感とか、すごく大事と思うニャ。

2005年は、俺には珍しく「反省したくなる」一年だった(笑)。人様にも迷惑かけたしね。が、後半になってやや盛り返したカモノハシ?てなわけで(なにがてなわけか知らんが)来春に立ち上げるオフィス名候補ですけど、「天然発想」>「段原ロカビリー」>「漂流社」>「インディアン商事Hau!」と変遷したあげく、「DuB1(ダブワン)」に落ち着きそう。
ゴミとの遭遇 (2005.12.26)

ヒゲが薄い俺ではあるが、4日も剃らないでいるとさすがにちょっとムサ苦しくなるようでオタマに「バッチイ」と言われてしまった。髪型もまったく冴えないとダメ押しをくらったので反論。クラシック界の頂点におわす、かの小澤征爾さんだってね、段ボールを小脇にかかえて広島駅前に立たせてみい。どう見ても立派なホームレスじゃぞ、あの風体は。つまり一流の見てくれは常に紙一重っちゅうことス。

夕方、たぶん今年最後となる仕事がフィニッシュしたので、部屋の掃除にとりかかる。一年かかって積み上げられた資料の<アリ塚>は、詳細にチェックしてみるとすべてがゴミであった。してみると、あっちやそっちの書類等もゴミでっか?CDも二度と聴きそうにないものは思い切って捨てましょね。しかし、カネは貯まらんのにゴミばっか増えやがるのう。

K楽器店O店長よりデンワ。例のブツに関し、アメリカにあるメーカーとの連絡が取れ、来年の春以降に準備出来るとのこと。アメリカは受注生産システムが多いような気がするが、こっちのほうがムダに作らなくて済むから経済的。で、どうするんスか?
あれから一年、、メリー涙腺ゆるみマス、、俺の人生前のめり、、 (2005.12.25)

朝方、ケイタイが鳴っている。寒いので布団から出ずに放っておく。あとで着信履歴を見たところ、タイで正月休みを過ごす久保直樹が、福岡空港から搭乗直前に電話をくれたみたい。昨年もほぼ同じ時期にタイへ渡った直後、例のスマトラ沖地震・大津波でプーケット周辺は壊滅。ヤツとも一週間連絡が取れなくて心配したものである。結局、被災地とは反対側の南シナ海沿岸を旅していたため、数日間はそんな大惨事がタイで起こったことさえ知らなかったという。今回も自由気侭なバックパッキング一人旅。いい旅を。

起きてしばらくぼんやりしていると、今度はオヤジ&オフクロが、クーとオタマにクリスマスプレゼントを持って訪問。しかしオヤジよ、どう見ても「メリークリスマス!」っつー顔じゃないんですけど(笑)。そしてオフクロがクーに買ってくれた踊るスノーマン。この人形の表情がオフクロそっくり。さっそく一緒にノリまくって踊っているクーを見ていると、なんだかオフクロがあやしているみたいで、、、、ジワッときた。こうやって俺も無償の愛で育てられてきたことを思い出したよ皆の衆。ずっと親不孝ですまん。しかし最近涙腺ゆる過ぎだっつーの、俺。

今週のスケジュールをチェックしてみると、どうやら年内の仕事はレギュラー原稿ひとつを残すのみであることを発見。いや、やろうと思えば他にも仕事は作れる。来年実行に移したい目標に「年中無休」がある。仕事をしまくろうと考えているわけじゃない。来年はますます仕事とライフワーク、趣味の境界線を限り無くとっぱらってしまおうという意思表示なり。俺は前向きというより「前のめり」でありたい。

街路樹たちのブーイング (2005.12.24)

ちょっと前、オタマのヴァイオリンの生徒さんで、植物の発する言語を理解出来る女性がいることを日報で紹介したけど、オタマを介して彼女にこんな質問をしてみた。
「この季節、平和大通りなんかでよく見るゴテゴテと電飾で覆われた街路樹だけど、彼らには相当なストレスじゃないの?」
そしたらね、案の定というか、やっぱり街路樹たちはすげぇ迷惑してんだと(笑)。具体的にいうと熱がっているらしい。ロマンチックな気分に浸るのは結構だが、木だって生き物だということを忘れちゃいかんよな。

久々に腰の調子が悪い。ギックリ警戒レベル。大人しくしておこう。
心体育道忘年会 (2005.12.23)

オタマが友人の結婚式に出かけたので、終日俺がクーの面倒を見る。ヤツの暴れっぷりは日に日に加速しつつあり、一瞬たりとも目が離せない。今週は猛烈に忙しかったけど、今日が一番キツかったかも(笑)。

夕方、中区某所にて心体育道忘年会。俺が入門して数年間は新規入門者もなく、同じメンバーでこじんまりと宴会をやっていたものだが、この2、3年で急に門下生が増えた。一度入門すると辞める人がほとんどいないのも心体育道の特長。稽古を続けていると護身術が身につくだけでなく、身体養生上の効果がはっきり自覚出来るからと思う。
二次会は上岡さんの先輩がやっておられるスタンドへ。通常は祝日休業のところをわざわざ開けてもらったみたい。っつーことで貸切。
「そろそろ小林道場やってみんね」と先生。教えることによって自分の技術はさらに進化する、とのこと。来年からのいい目標が出来たっス。近い将来、本気で考えてみたいス。

*写真:カラオケの暴徒と化す、道場生。俺は途中で帰ったけど、何時まで続いたんでせう?

一体誰のものなんや? (2005.12.22)

浅田真央チャンは誰かに似ていると思ったら、やっとわかった。歳のわりに慈愛に満ちた顔だちが京都の某寺にある国宝弥勒菩薩像にソックリなり(笑)。
今回トリノ五輪への出場は叶わなかったが、日本スケート連名の「規則は規則。彼女のためだけに出場年齢枠を変えることはできない」との発言には、少々ハラがたった。一体誰のためのスケートなのか。そもそも年齢制限を設けたのは発育途上にある若い選手の肉体的負担を軽減するために設けられたと聞いている。しかし、彼女の場合はすでにシニアに混じり同じレギュレーションで過酷なサーキットを世界各国で戦い抜いて来たではないか。陸連同様、権威が権威の座を守るためのエゴとしか思えない。選手も観客も、望んでいるのは「ぶっちゃけ誰が強いのか」である。真のキング(あるいはクィーン)を差し置いて、金メダルもなにもないだろう。ほんと、このようなインチキは音楽業界も例外ではなく、ミュージシャン、リスナー無視の複雑巧妙な搾取がまかり通っている。音源のネット配信が主流になれば、いずれこのようなシステムは過去の遺物となるだろう。

昼過ぎ、某映像制作会社でTVCFのナレ録り。ここから仕事をもらったのは今回が初めてだが、他のスタジオも含め、それぞれ個性があって勉強になる。今年はCM・CFナレ仕事をたくさんもらった。電力会社、スーパー、家電量販店、車のパーツショップ、某厚生年金会館、衆議院選挙、ハウジングメーカー、パチンコ屋さんエトセトラ。時折、テレビから自分の声が聴こえてきてビックリするす。
東へ西へ (2005.12.21)

午前中から東雲〜河原町〜楠木町〜加古町っつールートをチャリで打ち合わせ&収録のトライアスロン行脚。行く先々でやることが違うもんだから暗くなって家に帰りついた時は疲労困憊。でも実に面白かった。特に楠木町の某スタジオでのCFナレ録りでは、ディレクターがあの著名なN氏と知ってびっくり。わざわざ東京からやってこられたわけだが、彼が撮った映像のグレードの高さときたら、サスガとしか言い様がない。出演している某球団のA選手やK選手もド迫力&カッコ良過ぎ。俺はアホのようにただただ見入るばかりで、ナレーションをやりに来たのをもうちょいで忘れるところでございました。
それにしても、全行程トータルで考えれば車で移動するよりチャリのほうが断然速かった。東京のクリエイターの間では移動に数十万円もするロードレーサーを使うのが流行っているらしいが、俺のはママチャリ(笑)。でっかい前カゴがこれまた役に立つんじゃぞー。しかも一応6段変則じゃぞー。
自分でキメる (2005.12.20)

朝からデンワ鳴りっぱなし。今週は超過密スケジュールになりそうな気配。

来月から講師を請け負うことになった、某企業新人社員対象のライティングセミナーのためのカリキュラムを練る。週イチで二カ月間実施予定。俺はコピーライティング技術をすべて現場で学んだ。今思えば随分のたうちまわって苦労もしたが、おかげで理屈ではなく身体感覚として技法をモノにすることが出来たと思っている。その微妙なニュアンスをどう第三者に伝えるか。俺自身すごく楽しみ。

夕方、近所のファミレスでKデザイナー、Yカメラマンと映像事業の今後の展開を話し合う。そのあとの雑談でKデザイナーが重大な決断の際には、必ず信頼している占師に託宣を仰いでいることを知る(笑)。先の見えない混迷の世である。家族を思い遣り、健康や幸せや経済の成功を願う強い気持ちが、間違いのないベストな指針を求めたくなるのは充分に理解出来る。でも俺には必要ないな。俺が生まれて来たのにはなにか意味があると思う。決して偶然ではない気がする。だから自分で決め、必要とあれば努力し、闘いたいのだ。当然失敗することもあるだろう。志半ばに命を落とすかもしれん。でも、それが命の「学び」ではないのか。すべてを言い当てる占師がいたとしたら、なおさら俺は人生の舵取りをゆだねたくはない。だってテストの答案を先に教えてもらうようなもんだろ?時間がかかっても俺は自分のアタマで考え、自分だけの答えをこの手でつかみ取りたい。素直な気持ちでいれば、空が、風が、雨が、太陽が、動物や植物がいろんなメッセージを運んでくる。不様に転んだとしても、その痛みの中で精一杯の愛を歌うたる。そしてその時はきっと、人のあたたかみがもっともっとわかるはずでしょ。とか言いながら、宝クジをいつ買えば当たるなんてのは是非聞きたかったりして(笑)。

*写真:先日、K楽器店のO店長から薦められた新型極上ボーカルマイクを、なんと山口さんちのヒロシ君はすでに使ってるではないかー。ズルイぞー。

オートクチュールの、、、 (2005.12.19)

夕方まで執筆。そのあと横川駅に隣接する某カフェでKデザイナー、WEBデザイナーS女史と打ち合わせ。結果、今年の春に俺らが立ち上げた広島の珍味を扱うサイトをS女史が請け負ってくれることにほぼ決定。たいへんな食通&酒通(笑)でもある彼女の口からは、俺やKデザイナーでは決して思いつかなかったであろう新アイデアがまさに奔流となって溢れ出て、やっぱ餅は餅屋、こういうマニアックなサイトには彼女のようなエキスパートが最初から必要だったんだと今さらながらに納得。さぁ、来年早々から反撃開始じゃ。日本全国から注目されるサイトへの昇格も夢ではない。

昨夜、TV「情熱大陸」で、日本では初となるオートクチュールの生花店を営む東 信(あずままこと)氏が紹介された。銀座某ビルにある、まるでアジトのような彼の店「ジャルダン・デ・フルール」には、驚くことに花が一輪も存在しない。客のオーダーを受けてアイデアを練り、そこでやっと市場に買いに出かけるというスタイル。花のアレンジを我流で覚えたと言う彼の作品は、奔放でありながら清楚で緻密。わずか数日で命を閉じるつかのまの美が醸し出す、世界でひとつだけの小宇宙に多くの人が魅了され、ついには欧州No1のセレクトショップとの呼び声も高いパリの「コレット」からもショーウインドウ・ディスプレイを依頼されるまでに。しかも彼はまだ29才。まったく末恐ろしいヤツ。
で、俺も閃いた。オートクチュールの花屋が日本初であるなら、俺がオートクチュールの「歌屋」を日本初でやってみてはどうか。がははー、面白そうじゃん。
♪郵便屋さんエッサッサ、、、おたふく風邪、、、 (2005.12.18)

朝早く、頼んでいた今月分のモリンガ錠剤が届く。持って来たのは郵便屋さん。今日のような大雪であっても、日本全国津々浦々、郵便局の機動力がそこなわれることはほとんどない。豪雪地帯ではカプにチェーンを履かせて配達に回るし時には電車を乗り継いだりして、どんな過疎地、へき地へでも「通常通り」業務が遂行される。今後民営化でどうイジられるのかわからないけど、俺の音楽もこうありたいね。手紙を届けるような気持ちで歌いたい。

伝え聞いたところによると友人デザイナーがおそらくセガレに移されたのだろう、おたふく風邪に罹って2週間ダウン。一時、睾丸が夏ミカンぐらいに腫れ上がったとのこと。大人になってのそれはたいそうひどいものらしい。かくいう俺も幼稚園の時に医者の診断ミスであやうく命を落とすところだった。
「なんでもない。ただの風邪」と言われて納得のいかなかったオフクロはすぐさま医学書を買い求めて症状を自分で検証し、やっぱりおたふく風邪に間違いないと、深夜俺を連れてタクシーでその病院を再訪(当時は救急病院とかあまりなかったからね)。
「きょうはもう遅いから明日の朝また来なさい」とインターホン越しにそっけなく応えた医者の態度にブチ切れたオフクロは、俺をおぶったまま病院玄関ドアを蹴破って乗り込みよった。ターミネーターかっつーの。身のキケンを感じたのか医者はあわてて俺を診断。
「これはいけん。おかあさん、あなたの診断は正しかった!」と彼は素直に非を認め、すぐに手当て&入院措置がとられた。もう少しで髄膜炎(脳膜炎?)を併発する深刻な状態で、そうなれば脳や神経系に重大な障害が残るところだったらしいが、オフクロに言わせれば「今のアンタを見とったらようわかるんよ。すでに手遅れじゃったんじゃねぇ、、、」とのこと(笑)。小学校時には某精神病院で「脳波に異常あり」と診断された俺だ(イバるな)、こわいもんナシでどんどん行ったれ。

*市内中心部では17センチの積雪を記録。今年の冬はかなりやる気。

あたふたな一日vol.2 (2005.12.17)

海外のアーティストで最も影響を受けたのはBOB MARLEY。彼のアルバムの中で一枚挙げるなら「Kaya」だろう。でもどういうわけか、今まで持っていなかった。いや、持っているつもりになっていたのだ。よく通っていたバーやライブスポットでしょっちゅうかかっていたからか?そんなこんなで、この南国パラダイス気分が味わえる名盤を本日遂にゲット。これで冬が越せる。

K楽器店へ行き、O店長と例のブツのことを再度相談。決して安い買い物ではないし、アメリカからの取り寄せになるのでどうしても慎重になる。と、新たな事実が判明。ああ、聞いといてヨカッタ。知らんかったら8万円ぐらい損していたかも。ついでにO店長から、ハイクォリティの新型廉価マイクを薦められる。さっそくテストしてみたが、なんてこったい。これに比べたら俺のSHURE BETAなんか「ナニこれ?」っつーぐらいお粗末じゃにゃあの。ライブでもそろそろマイ・マイクを使うべきかなぁと思っていただけに、これまたソソられたぜよ。

夕方、道場。組手で相手を捌いたあと、寸止めをするのが難しく、それで体が硬直し、技がスムーズに出ない。なんと恐ろしい武術だろうか心体育道は。ひとえに俺の未熟さに起因するものであるが、これからは寸止めを充分想定して自主稽古しないと、相手に大変なダメージを与えてしまうことになる。
稽古が終わり道場から出ると、一面の雪。チャリンコで家に帰りついた時は全身雪だるまでございましたとさ。
新規オファーラッシュ、、、ケロケロ5人囃子、、、 (2005.12.16)

数週間前から打ち合わせを進めていたいくつかの新規案件にGOサインが出る。それらが動き出すのは来月、つまり年が開けてからとなる。今年一年、ビジネスに限って言えば悪い意味で想定外の事象が続発。秋以降もけっこうヒマだったし。ちょっと軌道修正せねばいかんなぁと思っていたところへ今月になってからいろいろなビジネスシーズが舞い込んで来た。ひとつひとつ丁寧にいきたいっす。

夜、流川「club cream」でZi:LiE-YAのライブ。チャリンコをワシントンホテル前に置き、8時の演奏開始時間になんとか滑り込もうと、かなりの早足で薬研掘通りを歩いて行ったら、勢い余って50メートルも通り過ぎてしまう。引き返そうとしたとたん目の前に背中を丸めた長身の男。なんと、Kデザイナーではないか。
「ああ、小林さん!ちょうどえかった〜。creamっちゅうライブハウスどこにあるんか知らん?」
「ついて来たまえ」
俺がうっかり通り過ぎてヨカッタね、などと笑いあいながらなんとか間に合った。
奈落、ナカハラバンドとファーストアクトが終わり、Zi:LiE-YA登場。でっかいガマガエルに乗って妖術を操る神出鬼没の義賊「児雷也」から名前をとってるだけあって、メンバー5人なかなかのくせ者揃い。楽しめましたです。
しょくぶつう (2005.12.15)

原稿を送ったり、新規案件の打ち合わせしたり、なんだかんだで気がつけば夕暮れ。冬はやっぱり陽が短いですのう。

オタマのバイオリンの生徒さんに、植物と会話ができるという人がいる。気持ちがわかる、というレベルじゃなく、植物が発している声と、その言わんとしている内容が理解出来るのだとか。たとえばAという植物の鉢とBという鉢があったとする。そのふたつを一緒に並べようとすると突然Aが
「あー、ちょっとヤメテよ。わたし、Bってすごくキライなのよ!」
とヒステリックに抗議することがあるというのだ。そんなもんだから、彼女はホントに植物と意思疎通がはかれるため、弱った植物を元気にすることなんかお手のものなのである。俺はこの話、信じるよ。

植物には随分前から人間並の複雑な意識や感情が備わっていると主張する学者がいるし、ネイティブアメリカンは、木を電話みたいに使って何千キロも離れた人と交信していたとの文献記録が残っている。そういえば広島にも何年か前、ウソ発見機のようなしくみの微弱な電流を感知するマシンで植物との交信に成功したと公言するオッサンがおったわい。詳しいことは忘れたが、植物にその<マシン>の電極を繋ぎ、任意の質問を問いかける(何語でもOK)。そうすりゃ不思議なことに、イエスorノーで極めて明確な返答が得られるんだと。たとえその被験植物が広島某所に生えているものだとしても、彼、もしくは彼女はほぼ世界中のことを「識っている」んじゃげな。俺はこの説も肯定する。なぜならば、、、なぜ、なら、、、な、奈良、、あう〜、安物のワインが効いてきたのでこの続きはまた日を改めて語らさせてもらいまひょ。てへっ。
下請けエレジー、、、蟲の続報、、、 (2005.12.14)

仕事の合間に、TVで姉歯さんの国会証人喚問をチラっと見たが「下請け」という立場を考えたとき、上からの要求を拒めなかったという彼のような人は、この国ではさして珍しい存在でもなかろう。
広告費削減の影響で、広告デザインプロダクションも相当キツイ状態だ。俺がこの業界に入った頃は、バブルがはじけた直後だったが、浮かれムードはまだ少し残っており、たとえばリーフレットにたった一カ所だけ使う「ヤシの木」のカットために、クライアント、代理店担当者、デザイナー、カメラマン、その他わけのわからん関係者らがこぞってグァムに行くという信じられんロケがたまに見られた。もちろん経費で。リースポジ使えばほんの数万円で済むのにだ。景気がいい、というのがこのような愚行を指すのであれば、もう少しガマンして本当のカネの活かし方を学んだほうがいいように思う時もある。

俺の好きだった「アサヒ新生」が「新生3」となってリニューアルデビュー。早速飲んでみたが俺は前の方が好き。それにCMで尻上がり気味に連呼される「スリィイイイイ〜!」が広島弁の「スィイイイイ〜!(酸っぱい)」に聞こえ、この季節にはなおさら寒々しく耐え難い。庶民の味方であったこれらエセビール達も増税が決まったことだし、やっぱり純ビールに戻ろうかの。アジア外交もしかり、小泉政権には悪い部分が俺には多いように見える。

蟲のハナシで追記。あの事件から数日経った日のこと。通っていた習字教室でオバチャンを真似て掌に墨を塗りたくり、じっ、と、指先を見つめてムシの出現を待ってみた。やっぱりナニも出んかった。っつーか「こりゃ!遊ぶんじゃない!」と先生におこられましたわいな。友人ギタリストMarクンも出身地の因幡で、幼少時に<カンのムシ>を抜くのに似たようなセレモニーを体験をしているとか。中国地方では広範囲で行われていたのかも。情報求む。
営業廻り、、、蟲の存在、、、 (2005.12.13)

昼過ぎより、Kデザイナー氏と営業廻り。帰りしな、中央通りでロケン屋ナカハラヒサロオ閣下とばったり遭遇し、最寄りのカフェにて情報交換。彼も来年は新しい地平を目指すようである。

最近、フジテレビ系列(広島ではホームTV)で毎週水曜日深夜1時35分から放送されているアニメ「蟲師(むしし)」にハマっている。蟲といってもカブトムシやらトンボとかではなく、精霊に似た原始的存在。先週の第七話「雨がくる虹がたつ」もよかった。空中に現出する虹とは違い、それは地面から「生えて」いるのだ。んなバカな、といえばそれまでだが、上田秋成の幻想怪異小説にも通じる叙情性と、すでに現代人が喪失してしまった自然界との密接な相関が描かれていて妙に和む。登場人物のほとんどは和装だけどチョンマゲなどはしていない。時代背景は明治後期あたりか。主人公の蟲師ことギンコだけが白い開襟シャツに綿パン。BGMもほとんど排し、鳥のさえずり、雨音、雷鳴、川のせせらぎなど自然音をメインに聴かせる工夫がうまく異界の雰囲気を出している。そういやちょうど読み始めたW.B.イエイツ「ケルトの薄明」にもアイルランドの精霊達のことが詳しく書かれている。

蟲といえば、小学校2年生あたりに実に不思議な光景を目撃している。当時、俺のオヤジは競輪選手としてもっとも稼ぎまくっていた黄金期。コンディション管理にも充分留意し、我が家には月に一度、俺が「アンマのオバチャン」と呼んでいた初老の女性マッサージ師が通っていた。ある時、いつものようにオヤジのマッサージが終わったあとの雑談で、オフクロがなにげに俺の妹を指差し
「このコ、落ち着きがないしヒステリックなところがあって困る」
みたいなグチをオバチャンにこぼしたわけよ。そしたらオバチャン、
「ははぁ。このコにゃ<カンのムシ>がようけおりそうじゃね。ちょっと抜いてみようか。カズクン、学校で使う習字道具を持って来なさい」
わけわからんまま言われた通りに準備すると、オバチャン、筆にたっぷり墨をつけ、妹の腕をむんずと掴み、その掌になにやら字を書きはじめるではないか(今思えばあれは梵字だったかもしれん)。一同ポカンとしていると、
「ほうら、出てきた。指先を見てみんさい」
、、、、、、ぐわーーーーーーーっ!!!!!!!!
あの時の衝撃は忘れられん。なんと妹のすべての指先、ツメの間から、半透明の超極細の糸クズのようなものが、ワラワラと体をくねらせながら出て来るではないか。指一本につき7、8本ははえていたと思う。これが<カンのムシ>の正体? やがて1センチぐらいになってところで今度はオバチャン、そいつをフッ、フッと慣れた手付きで抜きはじめた。そして洗面器に張った湯で一度妹の手を洗い、また字を書く。またムシが出る。オバチャン抜く。また手を洗い、、、を数回繰り返すうち、俺も我慢できなくなった。
「オバチャン、ボクもやって!」
オバチャン「アンタにゃたぶんムシはおらんよ」笑って言いながらも同様にやってくれたが、期待も空しく確かに俺の指先からはムシ君の出る気配はない。その一方でなんぼでも出てくる妹のゴールドラッシュぶりにオフクロや弟も奇声をあげてはしゃいでいる。いや、こんな寂しい気分はなかったね(笑)。
アレは一体なんだったのだろうか。オバチャンも存命とは思えないし確かめようがない。回虫とかのいわゆる寄生虫ではない気がする。やっぱ蟲、おるで。
夢へのキックオフ (2005.12.12)

週が開けていきなり様々なオファーが怒濤のごとく舞い込み、終日対応に追われる。久々にパニくったため、夕方いつものようにオタマがレッスンに出かけるのを見て思わず「ど、どこに行くんや?」と聞く始末。まるでアホウを見るようなオタマの目つきが痛かった(笑)。

サッカーWカップ。グループFで日本はなんでブラジルに勝つことを考えんのかな?何勝何敗でセコく予選突破ウンヌンじゃなく、いっそのこと全部シバいたる!ぐらいの気迫がなければ世界のトップに立つなど、夢のまた夢、100年経ってもかなわんぞい。逆に予選でブラジルを叩くことができれば、ボルテージも注目度もチンコも一気に上向くという千載一遇バイアグラ的ビッグチャンスじゃんか。だいたいな、しょっちゅう蒸し返される「ドーハの悲劇」なんて悲劇でもなんでもねぇ。弱かったから負けた、実力がなかった、ただそれだけのことでおじゃる。くだらぬノスタルジィにいつまでも浸ってないでさっさと手放してしまえよベイベー。現時点で圧倒的な技術の差があろうとも、分不相応と言われようとも、じっくりと作戦を練ってしかるべきトレーニングを積み、世界が羨むノリの良さで真の威力を知らしめてみぃよ。あーこりゃこりゃ。

*写真:1才半にしてすでにオタマにバイオリンを弾かされているクー。本人は無邪気なもんで自覚はまだないであろうが、好むと好まざるとに関わらずこういう宿命なのだ(笑)。

ブラブラいくぜ〜 (2005.12.11)

昨夜スマトラタイガーで、某人よりFar East Loungeのネーミングの由来を尋ねられたので、レクチャーするス。Far Eastは、極東。Loungeは「ブラブラ歩く」。つまり直訳すれば「極東ブラブラ団」ということス。Loungeにはホテルなんかにあるラウンジの意味もありまして「当ホテルのラウンジでおくつろぎください」とかいう表記もよく見るでしょ?俺らの演奏が皆様方のおくつろぎ音楽としてご利用いただければ、これまた存外の喜びでございます。

昨日のライブのMD録音を聴いてみた。G氏から指摘のあった耐え難いハウリングは、これを聴く限りでは箇所が判別出来ず。おそらくデジタルでは拾えない重低音が存在したと思われる。次回はハウリング対策として2、3の改善案を試してみたい。Gさんアドバイスありがとちゃん。
しかし、悪くない。っつーか、かなりよろしいのではないか。今期ベストテイクもかなりあった。前半をシビアな曲、後半をサーフ&潮干狩りソング(笑)でまとめたのも成功だった。演ってる曲の3分の一が今年になって作ったものというのもイイ兆候である。来年はどんなオリジナルと出会えるのだろうか。
スマトラライブ (2005.12.10)

夜、流川スマトラタイガーにてFar East Loungeライブ。
忘年会たけなわということで(俺もこの日3つのグループから忘年会に誘われていた)、客の入りが心配だったけど、ほぼ満席で安心する。しかも客の半分くらいはFar Eastを初めて聴く人。

9時45分より1ステージ目スタート。
「38度線」>「ルフラン」>「燃え尽きた大地に咲くカンナの花(新曲)」>「その男ヨシオ」>「Dreamin'(新曲)」>「ホライゾン」>「フリージア(新曲)」>「Get closer」>「黒いストッキング」>「カプチーノもう一杯」

2ステージ目、10時55分スタート。
「UMIKAJI」>「テビチ記念日」>「星の波間に(梶山ボーカルバージョン)」>「月の下ジントヨー」>「梶山ソロパフォーマンス」>「ハナレイムーン」>「ヨーデル潮干狩り」>「夫婦蛸」>「サティスファイ・マイ・ソウル」>「ひかりのうた」
アンコール:「どうじゃい」>「走れアルマジロ」

うまくいったところ、いかなかったところ、また、ハウリング対策など今後の課題もいろいろ見えてきたライブだったが、俺は力を出し切ることが出来、満足のいくものだった。っつーことで今年のライブ、これに手打ち止め〜。みなさんありがとうございました。
金管ギター続報、、、バイオリン&ビオラ演奏会、、、 (2005.12.09)

昨日相談したばかりなのにK楽器店のO店長からさっそく連絡があった。例の金管ギターはやはり国内にはストックがなく、アメリカに発注(なんと受注生産じゃげな)する必要があり、来年度分は今月いっぱいでオーダーストップ。手に入るのは3、4カ月先とのこと。はぁ、、、どうするよ、俺。急展開にとまどうペリカン。

夕方、段原ラファエル教会礼拝堂にて、オタマの出演する「バイオリン&ビオラの小さな音楽会」。ほぼ満席。子供からかなりの高齢者までと年齢層も幅広く、普段クラシックに縁のなさそうな方々(失礼)が多いようにお見受けしたが、だからこそ意味があると思える。オタマの演奏も良かった。今日家を出る前、俺に<電気アンマ>をくらわしたのと同一人物とは思えん。
俺が小学生の頃、オフクロと映画館で初めて見た字幕スーパーの洋画はヨハン・シュトラウス(奇しくも俺と誕生日が一緒)の半生を描いたものだった。その中で、音楽愛好家からなる市民オーケストラが、街の広場で無料青空演奏会を開くシーンがあった。ミュージシャン達はアマチュアだから、服装もオーバーオールだったり工場の作業着だったり、とにかくバラバラ。自分のパートが休みになったら持ち込んだパンを譜面台に隠れてつまみ食いしているヤツもいる。しかし、彼らの出す音が底抜けに生き生きしていた(映画だからだけど)。それからというもの、俺のクラシックミュージックに対するイメージはこれに尽きるのだ。民衆のための民衆による音楽。それ以上でもそれ以下でもない。今夜は本当にいい企画だった。

たまたまの人、、、金管ギター、、、 (2005.12.08)

ある企画モノが舞い込み、その構成を終日練る。十数年に及ぶコピーライターのキャリアをかわれての特殊なオファーであるが、考えてみれば虚業中の虚業といわれるこのビジネスでよくもここまでサバイブ出来たもんだと他人事のように感心。業界には「ダテにこの道で食ってきたわけじゃねぇ」と見栄を張る人もいるが、俺は言えん。たまたまコピーライターでいられただけと思っている。なもんで、俺の経験や技術が今からこの世界に入る若い人々の参考になるのなら、喜んで伝授しようと思う。「秘伝」なんつーのもないことだし。

夕方、K楽器店へ行き、新しいC・Keyのハープを購入ついでに、ナショナル社製リゾネーターのことをO店長に相談。先日探し当てたナショナル社オフィシャルサイトからプリントアウトした「希望するブツ」を見せると
「ぬはははは、ついにその気になったかぁ。うん、調べてみるけぇちょっと時間もらえるかな」
へぇ、お待ち申し上げております。おそらく国内にはほとんど入って来ていない気がする。普通、アコースティックギターを買う場合、試弾せずに「名前」だけで注文する勇気は俺にはない。どんなに名器と称される機種であっても、使ってある木の状態で一本一本、まったくキャラクターが違ってくるからだ。しかし、リゾネーターはネック以外は鉄。いうなれば<金管ギター>であるからしてバラつきは小さいと思う。アサイラム・ストリート・スパンカーズのNEVADA NEWMAN(なんちゅう名前や)は、こいつをブンブン鳴らしておったス。あそこまで俺に弾きこなせることが出来んことも承知している。おっと、まだ買うつもりじゃないからね。調べているだけだかんね。
Dear,Mr.Robert (2005.12.07)

春と真冬の入口は、古いブルーズを聴きたくなる。で、それらのCDをごそごそ探していると、昔、田原男爵にもらった(彼も10年に一度くらいはモノをくれる時があるのだ)ビデオ「THE SEARCH FOR ROBERT JOHNSON」を発見。ロバート・ジョンソン研究家でミュージシャンでもある白人ナビゲーター氏が自ら車のハンドルを握り、ロバート・ジョンソン所縁の地や人を訪ねながら旅をするというロードムービー風ドキュメンタリー映像。字幕がないので語られる内容はほとんどわからんが、血縁者やかつての愛人だったという老女(彼女の愛称はなんとクィーン・エリザベス!)のインタビューもあって微笑ましい。ナビゲーター氏もクロスロードや墓地、駅、列車の中など、ロバート・ジョンソンの歌のモチーフとなった場所でリゾネーターをかき鳴らしながら思い入れたっぷりに絶唱。「チクショウ、俺は白人じゃなく黒人に生まれたかったずぇえええ!」みたいな彼のコンプレックスが垣間見えて泣けてくる。いや、彼の演奏も素晴らしくかっこよろしい。

アメリカの医学博士、W某(名前を失念)が、「ニュース断食」を提唱している。毎日ロクでもないニュースばかり見ていると病気になります、たまにはニュースをまったく見ない日を設けましょう、そうすればあなたは世の中のマイナス波動の大半を随分遠ざけることができ免疫力がグンと向上しますよ、というような論旨だっと思う。なるほど、最近の報道内容の極悪非道ぶりは度を越し過ぎ。矢野で女児が首絞められて殺されたかと思えば、今度は栃木の女児が犠牲に。ほかにも耐震強度偽造、母親が我が娘を18年軟禁エトセトラ。まともな気分じゃ向き合えない話題ばかりだ。逆にこういう出来事に日々「慣らされていく」としたら、俺はそのほうがもっと怖い。っつーか、すでに少々の事件にゃ驚かなくなってきてるでしょ?アナタも俺も。ミュージシャンの端くれとしては、微力なりともいい波動を放っていたいものである。

ご利用は、、、 (2005.12.06)

10日スマトラタイガーのセットリストがほぼ出揃う。今回もまた二部構成だが、一部にハードな曲、二部にはトロピカルものやトラベリンソングを持ってこようと思う。未発表曲は予告通り2曲になりそう。しかし、自分で作った曲ながら、この節操の無さはどうだ。なんでもかんでもカテゴライズしないと気が済まない潔癖性気味の御仁が俺のライブを聴いたなら、間違いなく精神に異常をきたし、「ご利用は計画的に!」とワメきながら首相官邸へパンツ一丁で殴り込むことだろう(意味なし)。でもいいもんね。俺はやりたい曲をやりたいときにやる。先頃、アマチュアでありながらプロと5戦し、見事3勝をあげて将棋プロとして認定された瀬川昌司さんの例もある。つまり有無を言わさぬ圧倒的な「歌力(うたぢから)」を備えていればいいのだ。もちろん、音楽が勝ち負けで語られるものでないことは、最近少しは理解しているつもりである(笑)。

などと意気込んでいるところへチューピー梶山からメール。
「日報に『新曲お披露目の予定』と書くのはエエが、他になに演るかワシにぐらい事前に云ふてもバチは当たらん」
はい、おっさるとおりでございまふ、ぽこぺん。

冬支度 (2005.12.05)

目覚めて窓を開ければ、、、おおっ、雪!雪じゃあ!幾つになろうとも冬になって最初の雪はなぜかウキウキ。写真もパチリ。

気温が下がり空気が乾燥してくると、愛器テイラー<八丁念仏>のネックがわずかに逆反りし、ビビリが出る。岡山の凄腕リペアマン氏(彼は押尾某のリペアも担当)に以前作ってもらった冬専用サドルの出番到来。

いよいよリゾネーターギターが欲しくなり、ネットでいろいろ物色。本家ナショナル社からはアサイラム・ストリート・スパンカーズも使っていたマットブラックの渋〜いヤツの他に、ブルー(たぶん福山マーシーが使っているのと同じ)やグリーンのも出ている。またアミスター社というところからはピックアップ付きのがたくさんリリースされている。まぁこうして眺めているいればそのうち飽きるだろう。いや、そうあるべきだ、っつーか、ねばならない?(笑)。

深夜、ヘッドフォンをし、轟音でロックンロールを聴く。歌詞や、メロディ、ビートの狭間から、刷り込まれているはずのない音声が染み出てくる。それは自分自身の声だ。自分とじっくり対話したくなった時はこの方法が手っ取り早い。20数年来の習慣。

レゾネーター、、、ラート、、、 (2005.12.04)

駅前の中古CD屋で、CHRIS WHITLEYのおそらく遺作となった「SOFT DANGEROUS SHORES」を手に入れる。レゾネーターギター弾きのシンガーソングライターの中で、今まで一番好きだったのはKEB'MO'だったが、つい先日肺ガンで逝ってしまったCHRISのそれもまた絶品である。というか、KEB'MO'はギターも歌も素晴らしけど、歌われている内容が、俺にとっては少々薄味で物足りない。CHRISの世界は俺の指向するトラベリンソングである、魂の旅も含め。ああ、レゾネーターがまた欲しくなってきた。

夜、TV世界うるるん滞在記で、ドイツに「ラート」というスポーツが存在するのを知る。 円盤型遊具の中に人間が入り、体重移動バランスを使って無重力的パフォーマンスを行うというもの。戦時中の資料で見たことあるのだが、江田島海軍兵学校で行われていたというトレーニング器具に似ている。輪と一緒にクルクル回転するのはなるほど楽しそうだ。一緒に見ていたオタマが、
「私、側転なら今でもできるよ。やってみたもん、そこで」
と指差した場所はキッチン。俺がいないときにこのひとはナニやってんでしょうね。
首ギックリ日和 (2005.12.03)

朝、いつものようにヨガで体をほぐそうと仰向け準備姿勢をとった途端、急激に脱力しすぎたのか、右首筋にクリッと衝撃が走り、続いて耐え難い鈍痛。そのまましばらく動けなくなる。俺が「首ギックリ」と呼んでいる持病である。いつものやつよりは軽いカンジだが、冷え込んだ朝は気をつけねば。

6月に逝去した謙二叔父の新しい墓が西区某所の市内を見下ろす高台に完成し、その納骨法要に参列。ビュウビュウと木枯らしが吹き付ける中、ボンさん(お坊さん)の読経もやや震えがち。霊園担当者によると、春には桜が美しい場所とのこと。その帰り、カーラジオからタンゴが流れる。青く澄み切った冬空にバンドネオンの切なくも明るい音色がよう似合う。

修理の終わったマルチトラッカーをK楽器店に受け取りに行く。保証期間はとうに過ぎていたが、O店長の粋なはからいで修理費はタダになり、送料代金のみ1500円で済んだ。添付されていたメーカーの修理報告書には「電源基板間の接続ケーブルに接触不良を確認しました」とある。そんなもん素人にわかるかけないっつーの。
日本製品は故障が少ないというが、どういうわけか俺が買った日本製品にはやたらと不良品、故障品が多い。クーのベビーカーに装着しようと二週間前に買った夜間警告パッシングライトもいきなり壊れていたし(すぐに交換してくれたけど)、テレビ、ラジカセ、ケイタイ、FAXときりがない。これって安い人件費を求めて中国その他のアジアに依存した結果なのか?それとも使い捨てを想定しての手抜きなのか?

夕方、道場。首ギックリになったため休んで見学しようかと一瞬思ったけど、こんな状態だからこそ稽古に意味があると考えての出席。しかし、予想だにしない試練が俺を待っていた。先生は急用で外出され、代わって兄弟子S氏による指導。イヤな予感。案の定、基本稽古が一通り終わったあとS氏は当たり前のように腹筋・背筋各100回、腕立て(腕を半分曲げた状態で停止したまま60秒)を指示。鬼である(爆笑)。普通ならなんでもない回数なれど首ギックリのおかげで、特に背筋は一回一回激痛が走る地獄の責め苦であった。応用稽古に入ってもカラダがギクシャクとまるでピノキオ(笑)。まぁこんな日もあるさ〜。
驚異のマシン&驚異のブルースマン (2005.12.02)

Yahoo!のニュースから。英国人の発明家ハワード某が、やかましく騒ぎたてる若者を追い払うマシーン「モスキート」を開発したげな。なんでも、子供と30才以下の若者にしか聴こえない不快な超音波を発する装置だそうで、町の食料品店でうるさく騒いでいたボーフラ連中を被験者にしてテストしてみたところ、見事撃退に成功(笑)。すでにオーストラリア、米国、カナダなど海外からも問い合せが殺到中とのこと。しかし、経年とともに聴こえなくなる高周波というのが実際に存在するのだな。高校時代の友人に、コウモリの出す超音波が聴こえるヤツがいた。数千万人に一人ぐらいの割合でそのような特異体質が存在すると聞いた記憶があるのだが、ヤツはコウモリが飛んでいると「ぐわっ!」と呻いて耳を塞いでおった。おそろしく不快な音だと言っていた。ヤツも健在なら43才。今でも聴こえているのだろうか。

来週火曜日の6日、富士見町のスタジオDUCKに京都から注目のブルースバンド「珍獣王国」がやってくる。ボーカル兼ブルースハープの山下純一氏とギターの篠原 裕氏からなるこのユニット、DUCKでCDを聴かせてもらったが演奏のクオリティの高さもさることながら、「俺たちゃ楽しくってしょうがねぇ!」という気持ちがビンビン伝わってきて、常日頃スタジオで収録する音源にどう魂を注ぎ込むかに苦心しているミュージシャンが多い中、たいへんな逸材に思える。しかもプロフィールを見てさらにタマゲた。「珍獣王」ことボーカルの山下氏はもとはドラマーだったが、幼少時からの小児性リュウマチの影響で、四肢がマヒ、しかも合併症で20才で失明。これだけで普通なら思いっきりメゲてしまうところだ。それでも氏は「ドラムはダメでもハーモニカなら吹けるんではないか」と一念発起して猛練習。そして車椅子の超ご機嫌ブルースハーピストが誕生するのだ。両手も不自由なため、ハーモニカを持つ独自の工夫もしたらしい。歌も素晴らしいんだコレが。身障者の方が演奏する場合、その演奏力やセンスより、ハンディを乗り越える姿勢がクローズアップされるケースが多いけど、彼のパフォーマンスは常人を軽々と越えている。相方の篠原氏も、知る人ぞ知るブルースギターマスター塩次<コークスクリュー>伸二氏の直弟子。
ライブ開始は20時スタートでフロントアクトは永沢竜二クン。料金1500円。時間があれば是非。
テーゲーな一日 (2005.12.01)

手掛けた仕事の料金交渉を少々、新規仕事のハナシ少々。なかには「へぇ、俺でいいんですかい?」みたいな未体験オファーも。

昨日ヒラめいた曲、なんとか完成。この状態では出来不出来は判別不可能。とにかくステージでやってみないとわからん。10日のスマトラタイガーではこれを含めて2曲ほど初お披露目出来そう。曲の構想はなんぼでもある。だが、まったく予期せぬインスピレーションが突然降りてきた場合の方が残る曲となる場合が多い。いや、そうとも言えんか。どっちなんや?!
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